
インターネットの接続設定をしていると、最近気になることがあります。
ISP(プロバイダ)のメール設定を調べると、
Outlook(classic)ではPOPで設定
と案内されているのに、
Outlook(new)ではIMAPで設定
と案内されていることが増えてきました。

と思いますよね。
さらにOutlook(new)は現在POPにも対応しています。Microsoftの最新の機能比較でも、classic・newともにPOPとIMAPが利用可能となっています。Microsoft サポート
それなら、
Outlook(new)も今まで通りPOPで設定すればいいのでは?
という疑問も出てきます。
ところが、ここには注意が必要です。
特に長年Outlook(classic)をPOPで利用してきた方は、
POP=PSTファイルにメールが保存されるというイメージを持っていると思います。
Outlook(new)は、この考え方が大きく変わっています。
今回は、POPとIMAPの違いだけでなく、Outlook(new)でPOPを使用した場合のメールデータはどうなるのかまで詳しく解説します。
まず結論!Outlook(new)ならIMAPがおすすめ?
一般的な家庭でISPメールを利用するのであれば、私は次のように考えます。
| 使用環境 | おすすめ |
|---|---|
| Outlook(classic)を従来通り使う | POPも選択肢 |
| Outlook(new)を新規設定 | 基本はIMAP |
| PC+スマホで同じメールを見る | IMAP |
| Webメールも併用する | IMAP |
| メールをPC内に長期保存したい | classic+POPを検討 |
| サーバー容量が非常に少ない | POPも検討 |
| 複数端末で既読・削除・フォルダーを同期したい | IMAP |
ただし、
「POPは古いからダメ、IMAPなら安全」
という単純な話ではありません。
それぞれメリット・デメリットがあります。
POPとIMAPは何が違う?
まず基本的な違いから見てみましょう。
POP
POPは基本的に、
メールサーバー
↓
パソコンへメールを受信
という考え方です。
従来のOutlook(classic)では、ISPメールをPOPで受信してパソコン内へ保存する使い方が非常に一般的でした。
IMAP
IMAPは、
メールサーバー
↕
パソコン・スマートフォンなどなど
というように、サーバー上のメールボックスと同期しながら利用します。
そのため、
パソコンで既読にする
↓
スマホでも既読になる
パソコンでメールを削除する
↓
サーバー側にも反映される
といった使い方ができます。
POPとIMAPを比較
| 項目 | POP | IMAP |
|---|---|---|
| 基本的な考え方 | 端末へ受信 | サーバーと同期 |
| 複数端末 | △ | ◎ |
| 既読状態の同期 | × | ○ |
| フォルダー同期 | × | ○ |
| 送信済みメールの共有 | △ | ○ |
| Webメールとの併用 | △ | ◎ |
| サーバー容量 | 節約しやすい | 容量に注意 |
| PC内への長期保存 | ◎ classicでは特に便利 | △ |
| PC故障時 | バックアップが重要 | サーバーに残っていれば復元しやすい |
現在の、
パソコン+スマートフォン+タブレットなどなど複数台で同じメールアドレス設定
という使い方を考えると、IMAPの方が便利なのは分かると思います。
なぜOutlook(classic)ではPOPが多かったのか?
以前は、
「メールは自宅のパソコン1台で見る」
という使い方が一般的でした。
さらにISPのメールサーバー容量も現在ほど大きくありませんでした。
そこで、
ISPメールサーバー
↓
POPでOutlookへダウンロード
↓
パソコン内のPSTファイルに保存
↓
サーバーから削除
という運用が一般的だったのです。
Outlook(classic)のPOPメールはPSTファイルに保存される
ここは長年Outlookを使っている方にはおなじみですね。
このブログでも以下の記事などで紹介しております。
Outlook(classic)でPOPアカウントを設定すると、受信メールなどは、
Outlookデータファイル(.pst)
に保存されます。
それで、パソコンを交換する時は、このPSTファイルが非常に重要でした。
ではOutlook(new)でPOPにするとPSTファイルになる?
ここが今回の記事で最も重要なところです。
Outlook(new)でPOPを設定したからといって、Outlook(Classic)と同じように「POPメール=ユーザーが管理するPSTファイル」ではないのです!
Microsoftは現在、Outlook(new)でもPOPアカウントを正式にサポートしています。Microsoft サポート
classic OutlookのPOP
= POPで受信 → PSTが通常のメール保存・管理の中心new OutlookのPOP
= POPは利用できるが、classicのようにPSTを通常のメールボックスの中心として扱う設計ではない
と理解するのが分かりやすいと思います。
Outlook(new)でPOPが使用できるとしても、Outlook(classic)の.pst中心の設計とはかなり異なります。
Outlook(new)でPOP受信したメールはどこにある?
…という疑問がわきますよね~。
Outlook(new)は、従来のOutlook(classic)のように、
「このPOPアカウントのメールは、この○○.pstに保存されています」
とユーザーが.pstファイルを直接管理することを基本とした仕組みではありません。

またMicrosoftは、Outlook(new)でMicrosoft以外のアカウントを利用する際、対応するアカウントについて同期する仕組みを採用しています。Microsoftは、同期した場合はメールなどのコピーがメールプロバイダーとMicrosoftのデータセンター間で同期されると説明しています。Microsoft サポート


でも以下のように言えます。
したがって、Outlook(new)でPOPを使う場合に「classicと同じPSTが新しく作られ、そこをバックアップしておけば大丈夫」と考えてはだめということです。
これまでのPSTバックアップ前提の運用を続けたい場合は、Outlook(classic)の方が分かりやすいでしょう。
でもOutlook(Classic)のバージョンに注意してくださいね~。

【重要】Outlook(new)のPOPと(classic)のPOPは同じ感覚で使わない
特にパソコンの買い替えでは注意してください。
例えば旧パソコンが、
Outlook(classic)+POP
だったとします。
10年間のメールが.pstに保存されています。
新しいパソコンで、
Outlook(new)+POP
を設定したとしても、.pstファイルをOutlook(new)に読み込めないので10年間のメールは確認できないということです。…でした…
今は…
Outlook(new)でもPSTファイルを開けるようになっている(いろいろ制限あり…)
ここは以前のnew Outlookから改善されています。
現在のnew Outlookでは.pstファイルのサポートが進み、
.pst内のメールやフォルダーを開く
メールを移動・コピー・削除する
といった操作ができるようになっています。Microsoft サポート
設定から、
設定 → ファイル → Outlookデータファイル
へ進み、.pstを追加することもできます。Microsoft サポート
ただしMicrosoftは現在もOutlook(new)の.pst対応を部分的としています。ARM版Outlook(new)では.pstがサポートされないなどの制限もあります。Microsoft サポート
そのため、
「Outlook(new)でも.pstが使えるようになった=classicと完全に同じ」
とは全く言えませんね~。
classicからnewへ変更すると過去メールが消える?
設定を変更しただけで、旧.pstのメールそのものが勝手に消えるわけではありませんので安心してください。
というのはOutlook(classic)とOutlook(new)は完全に別アプリだからです。

しかし、
「見えなくなった」
という感覚は十分に起こります。
実際、

と連絡を受けることがこれまで何度かありました。
パソコンを処分する前に必ずPSTを確認!
ということでOutlook(classic)の逆に注意点です!
長年Outlook(classic)をPOPで利用していたパソコンを処分する場合、
必ず旧PCのOutlook(classic)にしか存在しないメールがないか、確認してください。
特に、
- 受信トレイ
- 送信済みアイテム
- 自分で作ったフォルダー
- 過去の重要メール
を確認しましょう。
Outlook(new)でPOPを使うとメールが消える?
これも気になるところです。
結論から言うと、
new OutlookでPOPを設定しただけで、不具合としてメールが勝手に削除されるということはありません。
ただし、POPにはもともと、
受信後にサーバーからメールを削除する
という使い方があります。
そのため、
PC:POP
スマホ:IMAP
という環境では注意が必要です。
POP側でサーバーからメールを削除すると、
① ISPへメールが届く
↓
② PCがPOPで受信
↓
③ ISPのメールサーバーから削除
↓
④ スマホからそのメールが見えなくなる
ということがあります。
これはOutlookの不具合ではなく、POPの動作によるものです。
IMAPならメールは消えない?
こちらも誤解しやすいところです。
IMAPなら絶対にメールが消えない、という意味ではありません。
IMAPでは削除操作も同期されます。
例えば、
PCのOutlookでメールを削除
↓
ISPメールサーバーからも削除
↓
スマホからも消える
ということがあります。
実際OCNも、IMAPを使用するOutlookアプリについて、アプリから削除したメールはメールサーバー上からも削除されると注意しています。OCNサポート
つまり、
POP=受信時のサーバー削除に注意
IMAP=削除操作の同期に注意
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
主要ISPはOutlook(new)でPOP・IMAPどちらを案内している?
2026年9月時点で、各社の公式サポートを調べてみました。
面白い結果になりました。
| ISP | Outlook(classic) | Outlook(new) | 現在の公式案内・特徴 |
|---|---|---|---|
| OCN | POP・IMAP | IMAPを案内 | newではIMAP設定のみを案内 |
| BIGLOBE | POP・IMAP | IMAPを案内 | new用公式手順はIMAP |
| So-net | POP・IMAP | POP・IMAP | newでも両方式の設定案内あり |
| eo光 | POP・IMAP | POP・IMAP | 複数端末ならIMAPを推奨 |
| @nifty | POP中心※ | POP中心※ | 現在IMAP新規利用を制限中 |
| au one net | POP | 現在設定不可 | new Outlookでau one net/dionメールを設定できないと案内 |
※@niftyは2026年のメールサービス不正アクセス対策に伴い、現在IMAPのメールソフト新規利用を制限し、POP設定を案内しています。
OCNはclassicにPOP・IMAP双方の設定手順を用意していますが、Outlook(new)については「IMAPの設定のみのご案内」と明記しています。
BIGLOBEもOutlook(new)について公式にIMAPの自動・手動設定方法を公開しています。
So-netは少し違い、Outlook(new)でもPOP・IMAP双方を案内しています。ただしIMAP利用にはSo-netのIMAPサービス契約が必要です。So-net(ソネット)
eo光もnew OutlookでPOPとIMAPの両方をサポートしていますが、複数端末でメールを利用する場合はIMAPを推奨しています。
そして興味深いのがau one netです。2026年9月現在、公式サイトはau one netをOutlook(new)には設定できないと案内しており、POP対応メールソフトまたはWebメールの利用を案内しています。au
このように、
「ISPは全部new Outlook=IMAP」
というわけではありません。
ISPのメールシステムによって対応がかなり違います。
OCNは特に分かりやすい例
OCNの公式設定を見ると、この違いがよく分かります。
Outlook(classic)相当のMicrosoft 365ではPOP設定方法が用意されています。OCNサポート
ところがOutlook(new)の場合、OCNは、
IMAPの設定のみの案内
となっています。OCNサポート
まさに今回、
「classicではPOPだったのに、newではなぜIMAPなの?」
と疑問に思ったきっかけになるケースです。
なぜなのか理由ははっきりとはサポートページで確認できませんでした。。。
IMAPにも弱点がある!メールボックス容量に注意
ここまで読むと、
「それなら全部IMAPにすればいい」
と思うかもしれません。
しかしIMAPにも弱点があります。
IMAPでは基本的にメールをサーバー側に残しながら使用します。
そのためISPのメールボックス容量が小さい場合、
大量のメールを保存
↓
メールボックス容量いっぱい
↓
新しいメールを受信できない
という問題が発生する可能性があります。
長期間大量のメールを保存する人は、ISPのメールボックス容量も確認してください。
結局POPとIMAPどちらがおすすめ?
一般家庭なら、私は次のように考えます。
Outlook(new)を新しく使い始める
IMAPがおすすめ
特にスマートフォンでも同じISPメールを見るならIMAPが便利です。
Outlook(classic)を長年POPで使っている
無理に変更する必要はありません。
POPで問題なく運用できているなら、突然IMAPへ変更する必要はないでしょう。
PCを買い替えてclassicからnewへ変更する
一番注意が必要です。
新PCをIMAPで設定する前に、旧PCの.pstにしか存在しない過去メールを確認してください。
PC内にメールを長期間保存したい
Outlook(classic)+POPの方が、pstを利用した従来型の管理は分かりやすいです。
【重要】POPからIMAPへ「設定変更」するのではなく新規設定と考える
POPとIMAPは単なるスイッチではありません。
特に長年POPを使ってきた場合、
POP
↓
IMAPへ変更
というより、
既存POPメールの保存状態を確認
↓
必要ならPSTをバックアップ
↓
IMAPアカウントを新しく設定
↓
過去メールが必要なら移行方法を検討
という流れで考える方が安全です。
メールアカウントを削除したり、旧PCを初期化したりする前に必ずデータを確認してください。
よくある質問
Q.Outlook(new)でもPOPは使えますか?
はい。現在MicrosoftはOutlook(new)でもPOPを正式にサポートしています。Microsoft サポート
Q.Outlook(new)でPOPを設定すると.pstファイルが作られますか?
Outlook(classic)のように、「POPアカウント=.pstを通常の保存先としてユーザーが管理する」仕組みと同じだとは考えない方が安全です。 Outlook(new)の.pst対応は現在も部分的で、.pstを開いたりメールを移動・コピーしたりする機能は徐々に追加されている状況のように感じます。Microsoft サポート
Q.Outlook(classic)の.pstファイルはOutlook(new)で見られますか?
現在は対応が進み、条件を満たせばOutlook(new)から.pstを追加し、メールを閲覧できます。ただしclassicと同等の.pst機能がすべて利用できるわけではありません。Microsoft サポート
Q.POPで受信するとメールが勝手に消えますか?
POPの設定によっては受信後にメールサーバーから削除されます。その場合、Webメールや別の端末からそのメールを確認できなくなることがあります。
Q.IMAPなら安全ですか?
IMAPではサーバーと同期されるため複数端末には向いています。ただしOutlookでメールを削除すると、その削除がサーバーやほかの端末にも反映されます。
Q.Outlook(classic)をPOPで使っています。Outlook(new)へ変更した方がいいですか?
現在問題なく利用できているなら、POPからIMAPへ変更するためだけにnew Outlookへ移行する必要はありません。特に大量の過去メールを.pstファイルで管理している場合は、移行前に十分な確認をおすすめします。
まとめ
Outlook(classic)ではPOPを利用してきたISPメールでも、Outlook(new)ではIMAPを案内しているISPがあります。
その理由の一つは、メールの利用方法が、
1台のPCにダウンロードして保存
から、
PC・スマホ・Webメールで同じメールボックスを同期
へ変わってきたことです。
ただし、2026年現在のOutlook(new)はPOPにも対応しています。Microsoft サポート
ここで特に覚えておきたいのが、
Outlook(classic)のPOP=.pst中心のローカル管理
Outlook(new)のPOP=同じPOPでも、classicと同じ.pst中心の仕組みと考えない
という違いです。
長年classic OutlookをPOPで利用してきた場合、過去メールが旧パソコンのPSTにしか保存されていない可能性があります。
新しいパソコンでOutlook(new)をIMAPまたはPOPで設定して送受信できたとしても、旧パソコンをすぐに初期化してはいけません。
まず過去メールがどこに保存されているのか確認してください。
そして新規にOutlook(new)を利用する場合は、契約しているISPが対応しているのであれば、複数端末との同期が容易なIMAPを第一候補にするのが現在では分かりやすいでしょう。
必ず契約しているISPの最新の設定方法を確認してから設定することをおすすめします。


